明治二十六年三月十九日午前一時三十分
刻限

さあ/\又々さしづ、一寸一つ又一つ/\というは、一寸頼みに来ました。あゝ結構な事で御座ります。こんな事にもう十分の事、勿体無い事や、そうしてな何にも言う事無い。前々の事情、もう一つの事情、言葉一つの事情、堅く頼み置きます。これは存命一つの事情、息の通うたる間という。これ遺言、きっと/\存命の遺言、これだけ頼むで/\。フアヽヽヽ、済まんな、済まん事や。けれど、あちらこちら十分、俺が古家同じ事、これで十分や、これで十分やで。どうも済まん。けれど又春になりたら、春に勇んでおくんなはれや。さあ/\一寸説いて置くで。さあ/\刻限々々、刻限遅れると皆遅れる。どきはきの道を通らにゃならん。さあ/\一時々々心の理によって理が外れる。一つ/\十分聞き取れ。一度の話は二度はせん。刻限は間違わんで。くどう/\説いてある。これからは案じる事は無い。刻限聞き遁し、見遁し、悟りと言う。悟りは言わん。刻限よいように悟ってならん。刻限に諭したる理に理を纏まれば、身が治まる。心得ん/\。これ一つ事情諭し置く。

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