明治三十三年十月十六日夜九時半
本席身上俄かに胸なり腹背痛み、それより刻限のお話
ウヽヽヽヽヽヽ、ウン、さあ/\、静かに/\/\、さあ/\静かに/\。たゞただどうものう、どうも/\のう、何たる事ぞのう/\。さあ/\暫く/\の処々、口を借りて/\言うで。口を借りて言うで。とっと/\、とこぎり言うで/\。これと/\/\/\/\。
さあ/\水車のように思て居てはならん。水を外したら止まるやろう。水さえ仕掛けたら回るやろ/\、一日二日なりと回るやろ。これ同じ事、道理ではなろまい。このやしきの始まり、何と思うてる。このやしき僅かのやしきだん/\あちらこちら育て上げ、増すばかり/\。取り難くい所から取らし/\、一寸やしきの形出け/\、それよりどんな者も楽しむ。楽しむやろ、世界不思議と思う。あちら広なり、こちら広なり、自由という。人間心で自由出けるか。よう思案してみよ。何も無い処から、二十年三十年六十年の道理聞き分け。広く成ったさかいに要り用無いやしきは広めんで。どうぞこうぞあちらこちら出け掛けたるやしきや。そこで、皆んなよう思案せにゃならん。尋ねりゃ尋ね、と言うたて、尋ねやせん。たゞ一人も何の答無いから諭し掛ける。よう聞き、くれ/\聞き分け。さあ、もう何ようの事も、どういう事も、皆神一条と言うて、毎々言うて聞かし、神一条の道なら神一条の心に成ったら。どうぞ成ろうと言うて、成らん。一寸龍頭摘もんで、網を打ったようなもの。龍頭の中の魚、逃がそうか取ろうか。やしきの中というは、澄んで/\澄み切らねばならん。このやしきは、一人力で出けた道やない、道やあろまい。艱難から組み上げたる道。よう聞き分け。それ/\見分けてくれにゃならん。たゞ車の水仕掛けたら、独り回る車のように思てはなろまい。そんなら、あちらこちら建て掛け建て替え、中へ入って居て、何の不足やろと思う。綺麗な所へ住居して、何不足無い。何不自由無いと思うやろ。心というもの、むさくろしい中に居るも同じ事やで。むさくろしい中に居るも同じ事やで。そのむさくろしい中に居る者、どういう事であろうと思うか。よう聞き分け。連れて戻りたその時は、何の構えも無い所へ連れて戻りた、連れて帰りた。どれからこれ、たゞ一つの道理、一つの理。人間一つの心見抜いて、楽しめ/\と言うて、よう/\の事で満足与えたは、大工である/\。大工が与えてくれた。
これ/\連れて戻りた。大工無かったら、満足無くして暮れて了わにゃならん。小さい/\入れ籠/\、小さい入れ籠。その時というものは、八方無い理を始めたんであるから、なか/\ようこの理を取ってくれにゃならん。神一条と言うたる/\。神一条でありゃこそ出けた。人間心で出けたんやない。神一条で出けたんなら、心分からにゃならん。人間心は知らんもの。神一条の者なら、誰も知って居る。年限の道理から治めて行って居る。人間心からあちらぶっ付け、こちらぶっ付け、そら神の道の住家と言えようまい。さあ/\いつの/\いつの話、こういう一つさしづあった、どういうさしづあった、一つ/\の理を諭してくれる者一人も無い。まあこれから話するによって、動き取れるか取れんか、後へ退かるか退かれんか。道理伝えて話すればよい。出来ねば、暫く人間思うようにするがよい。
なあ、善い事した者は言いよういゝもの。道理に適わん事したら、言われん/\。放って置いてはならん。知らん者へ身が悩んで、日々働き出けんようになったら、どうするか。吐き出さにゃならん、吹き出さにゃならん。何処から攻め掛けるぞ。さあ/\なあ、もうどういう話ある、こういう話/\ある。もう聞かさるやろと、待って居た分にゃどうもならんで。どういう道具悪くなって了たら、使うと言うても使わらせん。今日朝から勢良うして居たのに、又候どういうものやろ。又出来たそうな。今日一日どうやろ。もう明日から出けるそうなものと、皆楽しみ/\。姿が見えて、あらどういうものぞ/\。めん/\所で道具を拵え、名称を拵え、多く道理から、皆々部下々々、部下は一つ親と成って取り締まって居る。だん/\理によって、又、それ/\は多く中なら、人々所々出して運んで居る。又、あちらから何人、こちらから何人、百人二百人連れて戻る、連れて帰る。皆んなあちらへ諭しに歩き、こちらへ諭しに歩き、部下から成らん中楽しんで、親順序聞いて増して来るは、人間勝手々々こらならん。もう行く所あろか。思案してみよ。親分教会何ぼあるぞ/\。支教会出張所、一つ派出所という。親という。親兄という、何時でも仕掛けたる。どん/\仕掛けたら、前々諭してある。車の如く、日々働いて居れば、やれ/\国々戻る/\。やれ行てこうか、参ってこうかと、追々人間が増すばかり、機械外したら、回らんとなったらどうするか。神の残念出ては回らせん/\。残念は容易で出やせん。なれど、自業自得ならどうもなろまい。一日休んだくらい何処へも知らせん。今日の処明日になるだけなれど、だん/\続けば、今日か明日かと幾日待つ。五日待つ十日待つ。この理はどうなるか。なってからどうもならん。ならん先から修復さえして積み立てば、なか/\、長らく連れて通らにゃならん、通さにゃなろまい。未だ/\二年三年、五年十年連れて通らにゃならん。半ばである。水切っては中弛み来る。中弛みしてはどういうもの。何でもあの心一つ、めん/\神を怨みて、世上にある。中弛みというは、世上の仇に肥をするようなもの。これだけ話して置けば、ほんにそうである/\。人はどうでも、めん/\一人なりと、神一条の道より無いと治めてくれば、神一条の理ある。皆手を打って勇んでくれるがよい/\。おらもうよいもうよいと言うは、手打ってくれるに及ばん。よう聞き分け。これまでさしづ/\ばかり聞いて、さしづ守らにゃならん。守らにゃ神を騙したようなもの。良い事は取って、後腐らしてほかして了たも同じ事。存命教祖の道、あれも変えにゃならんこれも変えにゃならん、というは、神の残念々々。よく聞き分け。残念やわい/\。
さあ/\これもどれもいかんと言うなら、隠して了え。出しさえせにゃ、せんで治まったる。たゞ聞いていかんと言うは、待って置くが理/\。やって置けば同じ事。やって行けば、改まった心、何処が治まるか。
なあ、これ/\よう聞き分け。月次祭々々々と言うて、皆楽しんで来る。楽しんで参る/\と言うて、所々月次祭楽しんで来るは、道の土台である/\。何邪魔になる。邪魔になれば、道伏せ替え出けやせん/\。道変わりて了う。変わった事、世上にやり掛けた事行きゃせん。この道人間心で色品変えてやってみようと思たとて、そりゃ行きゃせん。どちらやらこちらやら、掛かりというは、どちらからも、人間分からん処から出るはどうもならん。なれど、日柄経ったら枯れて了う。草葉の中見れば、いつになっても変わらん/\。心そも/\あって、こうせにゃいかんどうせにゃいかんというは、遂に中弛みがあってならん。中弛みあってから、どうもならん。よく土台を固めてくれ。台の元から始まり、元から数々出けた。元はたゞこれ一つ、この一つ理あちらへ捻りこちらへ捻り、あちらへやり替えこちらへやり替え、やったて行きゃせん。行く道理無い。一つの元に幾つもある道理無い。ある筈が無い。さあ/\間違い/\、取り違いは取り違い、皆同じ道理なら、神の理一つより無い。一つの道理なら、一つ何時なりと皆思うよう自由々々与える。聞いて聞かずに居るも同じ事や。さあ/\もうこれだけ話、容易ならん話/\、容易ならん話なら、容易ならん心定めてくれ。さあ/\もう最前からだん/\伝えた/\。もう話々の角目というものは、言うまで。初め土台から始めて、皆、子供連れて帰る処まで話して、これより話の仕様があらせん。心合わなんだら、そら車の水を外すようなもの。水を外したら車回らせん。こゝまで話して置くによって、皆々定めてくれ。