31.天の定規
教祖は、ある日飯降伊蔵に、「伊蔵さん、山から木を一本切って来て、真っ直ぐな柱を作ってみてくだされ。」と、仰せになった。伊蔵は、早速、山から一本の木を切って来て、真っ直ぐな柱を一本作った。すると、教祖は、「伊蔵さん、一度定規にあててみて下され。」と、仰せられ、更に続いて、「隙がありませんか。」と、仰せられた。伊蔵が定規にあててみると、果たして隙がある。そこで、「少し隙がございます。」とお答えすると、教祖は、「その通り、世界の人が皆、真っ直ぐやと思うていることでも、天の定規にあてたら、皆、狂いがありますのやで。」と、お教え下された。