明治三十四年十二月二十一日
岡本久太郎長女ナヲ二十六才山崎直吉弟熊楠二十九才縁談事情願(靱支教会長岡本、日方支教会会計山崎)
さあ/\尋ねる事情/\、縁談一条尋ねる縁談一条尋ねる。縁談一条尋ねるが、皆それ/\の心という/\、それ/\という親々という、実際心運び、人々という心台、これ第一。又親々これでよい/\と尋ねる。尋ねるから一つ諭し置いたる理あろう。一度尋ねる事情は、何でも彼でも道という理という処から、結ぶ/\。一日の日将来心無くばならん。もう成るもいんねん成らんもいんねん/\。この理聞き分け。聞き分けば、縁談程楽な事は無い。なれど、心変わればどうもならん。そこで、一日の日将来の理なら、よい。その心で通るがよい。その心に縁談一つ結んでやろう。