明治三十三年六月二十四日
荒井虎吉長男雪蔵二十才身上願

さあ/\尋ねる事情/\、さあ身上どうも心得んという一つ理を尋ねる。尋ねるからは一つ事情諭し置こう/\。ほんの仮名な言葉を諭し置こう。よう聞き分け。どういうものであろ。大抵この道心映し日々の処に思い、内々にどうもこれではなあ思う。又、思うは理やなれど、よく理を聞き分けて、成程と治まれば、身上鮮やか。どういう理諭すなら、ほんの仮名な事諭す。たゞ言葉聞いて悩み、何か発散するが理。どんな難しい事でも難しいない。どうという事でも、難しいと思たら切りが無い。これ聞き分け。道のため尽して居るのに、こうなれば世上何と言うやろ、何と思うやろ、と更の理に持たず。人間身の内かりもの神のかしもの、この理から聞き分け。どれだけ思たて、身に不自由あれば、何も楽しみ無い。どうも堪いられん。又このくらいこうしてるのに、御利益が無いなあ、と思てはなろまい。よう聞き分け。いんねん為す事情ある/\。いんねんは成ろと言うても、成らんがいんねん。成ろまいと言うても、成りて来るがいんねん。これ聞き分け。又内々事情ありては、何か治まらん。何かかりものである。我が自由ならんが、かりもの現われてある。たんのう。身に不足ありてたんのうは出けん。なれど、世界洗ろてみよ。どんな理もある。これから取って、ほんに成程という。いんねんのさんげえは、たんのうより無い。よう聞き分け。仮名な事。どうせにゃならんこうせにゃならん、言わん言わん。身上案じる事要らん。案じた分にはならん。

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