明治二十九年九月二十五日
松尾兵五郎五十八才身上願

さあ/\尋ねる事情/\、身上に心得ん理を尋ねる。長らえ一つ事情にては、大いに皆困る。一時身に迫る事情、よう聞き分け。たゞ一つに蒔いた分には分からん。我はこれだけ尽し運び、めん/\身上だけこうと言う。めん/\だけやない。他にまで心寄せ、これ取り直し聞き直し、皆元という。最初一日の日以て心寄せ、一日の日から思やんしてみよ。それから一つ/\、よく聞き分けにゃ分からん。めんめんこうして居るのに、何の効無いと言う。よう聞き分け。救からにゃならん、救けにゃならんが理であるするのに、身上鮮やかならん処、聞き分け。ずつない中辛い中、たんのうは治まらん。どうも治まろまい。なれど、為す事いんねん聞き分け。いんねんというは、何処にもある。それから話伝える理から、内々なあ。これから改めて、よう聞き分け。事情から身上大層になる。内々たんのう。悪い中切ない中、たんのう説けやせん。なれど、成ろうと言うて成らん。成ろまいと言うて成る。これから聞き分けてたんのうすれば、前生さんげえと言う。身上は一代と思たら頼り無いようなものや。なれど、末代という処から、よう聞き分け。

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