明治二十九年一月八日
田中みつ四十四才並びに長男善永十九才身上願
さあ/\尋ねる事情/\、さあ/\いかな事も尋ねるであろ。尋ねば一つ諭しよ。よく事情聞き分けにゃ、分かり難ない。一時一つなるという心持たず、よう思やんしてみよ。これまで大変中と思う中、どういう事思う事いかな事聞き分け。これだけの事どういう事でありた。これ忘れるに忘れられん。忘れられねば思う心これ思い開く事出けん。出けば鮮やか分かる。どういう事も善き事も受け取る。受け取るは道の理と言う。為す事世上一つ理諭す。為す事いんねん聞き分け。一寸は分かるなれど、鮮やか分からん。これ聞き分けば随分分かる。分かれば発散出ける。よう聞き分け。人という、人という、いつ/\まで楽しみは言うまで。何程思やん。日日暮らす中不自由無い。なれど、世上聞き分け。遠い所やない近い所にある。よう聞き分け。暮らす処不自由無いなれど、為すいんねん聞き分け。たんのうは出けやせん。なれど世上の理から聞き分け。身の不自由あればたんのう出けやせん。なれどよう聞き分けば治まる。よう聞き分け。いんねんと言うて了えばどうもならん。いんねんというは、切なみ何遍でもと言う。これ聞き分けるは、いんねんのさんげえと言う。又小人たる処、理の集まるようなもの。為す事いんねん分かれば、よう聞き分けして十分たんのう。これまで楽しみの日ありた。又あゝと言うた日もありた。よう聞き分け。短いようで長いもの。これ聞き分けば、鮮やかなもの。又聞き分けば直ぐと治まる。これ一つ諭し置こう。