明治二十七年四月三日午後二時
刻限御話(但しまさゑ縁談の話)
さあ/\一寸話して置く、さあ話して置く。話して置かにゃならん。一寸筆に書き留めてくれ。古い話は言うまでや。こういう道になりて来るとは分かろうまい。いつからなりたる分かろうまい。話にも伝えてある。ふでさきにも伝えてある。話一字々々の事情調べたら分かる。ふでの理に知らせたる処も皆分かる。何遍諭してもくる/\と巻いて納うて置く。どうもならん。一年の処思やんしたら分かる。今年の事分かる。来年の事は分かろうまい。それを聞かず、神の道を一つも立てず、あっちの顔を眺め、こっちの顔を眺め、人間の義理を立てる。神の道とは言えようまい。又、思う/\成る成らんの事情は、こういう事であると分かる分からんから、あちらこちらの顔を眺め、これでは一つの道とは言えようまい。いかな理を運び、皆心の理を寄せ。人間の心人間の道は要らん。これから一つの理を聞き分け。席の身を早くせにゃならん。席という、遠く所から招待なりたる処聞き分け。分からん中から、遠く海を越し山を越し谷を越し、何処の国から誰か頼んだやないのに、あちらこちら寄り来る。だん/\理を積め。一年二年と言うたら分かる。晴れた理は世界曇る。晴れるは世界では分からん。曇る晴れる理まで諭してある。こうしたらよかろう尋ねず、先にあちらを眺め、こちらを眺め、事情を拵える。もう何ぼう日掛かりて居る。何人して運んで居る。恥ずかしい話や。世界並でも見てみよ。お前の処、こちらへくれんか。貰う。やろう。と言えば、それ切りであろう。運ぶ事情今日か明日か。両三日経ったやろうか。事情話し難くい。あちら事情眺め合いするから、理を外す。遠く招待の理もある。一寸暫くの処、じっとして置くがよい。身上もじっとして置くで。話持って往んだら恥ずかしいで。