明治二十七年二月十四日(陰暦正月九日)夜
刻限

さあ/\一寸話し掛ける。どんな事話するやら知れんで。今日行て来うか、明日行て来うかと、気の毒なものや、可哀相なものや。同じやしきに居てどんな事見るやら聞くやら、年が経つ。年の中にも善き事ばかりやないで。めん/\の身上であって身上でない。どんな堅いものでも、柔こうなる。どんな事話すやら知れん。さあさあ話々、理を話する。我が身が我が身上なら思うようになる。なれど我が身上であって、分かる分からんというは、証拠というようなものや。ころっと取りようが違う。違うによりて、どうも仕様が無い。身上が分からんようになってから、どうもならん。互い扶け合いやと、口で言うばかりなら、扶け合いとは言えようまい。真の心からの互い扶け合いは一度に受け取る。あれでは心が分からん。残念な/\。どんな事を見るやら聞くやら、遠い所でもうこれどんな事情があるとても、身上が達者でなけにゃ取り返やし無い。どのような不自由さそう、難儀さそうというような親は無い。なれど鏡やしき、心通り現われる。どんな立て合いがあるやら、これ知れん。立て合いと言えば、中には善き事もあるなれど、どんな事あるやら出るやら、これ知れんで。明日立て合いの理になりてから、どうも仕様が無い。この道も一通り通りたるばかりで、人に笑われ、人に言われて、我が身不自由一ぱし間に合うてもあるなれど、三つ一つの理が現われてある。道のため万事心得のためまで、事情理を知らし置く。

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