明治二十六年十二月三日(陰暦十月二十六日)午後十時
本席お引き移りの席にて御話あり
さあ/\待ち兼ねた/\/\/\。さあ/\/\、一寸今夜一言話する。さあ/\始まり/\。長い間やったのう/\/\。さあ/\これから勤めにゃならんで/\。もうこれから自由々々やで。さあ/\これまでこのやしきこれでこそ元やしきであるのやで。これまでよう/\長い間の道すがら嬉しい事やなあ/\。頼もしい事や、嬉しい事や。これまでどんな日もあったやろう。まああたゑ/\、一粒万倍と言う。長い間よう/\の日来たら何よの事も知らす。これから又々さしづいかなる事話する。十分働かさにゃならん。席と直りたる中に、三名の姉弟、一やしきの内に暮らす。何処へも出すのやないで。これまで知らず/\楽しんだこのやしき、中南同じ一つの理に許し置く。雨が来る、風が吹く。さづけも皆こゝで渡すのやで。さあさあしんばしらたまへも連れて来るのやで。又々一言仕切って話して置く。どちらからもこちらからも、何時どういう事があって、余儀無くの事情あるとも分からん。間数幾間ある。これ一つが席の間と定め、後々姉弟一つの理、三間四間ずっと同じ事情、何時の事情にこれはどうである、尋ねにゃなろうまいか、さしづ貰わにゃならんかと言う。三間四間余儀無く事情には許し置く。いつ/\満足の事情に取り計ろうてくれるよう。