明治二十六年六月三日
増田甚七身上事情願

さあ/\身上から事情尋ねる/\。どういう事あろうと尋ねる。さあ/\何にも思う事情あろまい。身上一つ日々と言う。日々の処よく聞き取らねばならん。どういう事、どれだけ事情あれど、心に取りては何にも思わんよう。長らくの間にどういう事も、十分の中から一つの心案じる。どういう事やら思案付かん。これまでどういう事も通り、忘れかた/\一つの事情心に掛けんように、これから先長らくは楽しみ。どんな事聞いたて、心に掛けんように。めん/\どんな道も通りた。心に案じるは人間事情である。なれど思い開き一つ。若きに事情委せ。めん/\長らくの事情、楽しみと聞かんよう、見んよう。今日一日の日、今日こうであった/\と先先思わず、今日一日の日楽しみ、広き処楽しみ心の理であって、どっから眺めてもほんになあと言う。一日通り来たる、心に治めて、今日はなあ結構とどんな事も心に掛かる事は発散して、それさい心に治めて頼もしいなあ、長らくの楽しみ、諭しよう。見ればどう、聞けばどう、心に掛かるによって、長らくの道すがらに通り、一寸知らんという道がありては心と言う。心というは日々事情ありて、心と言えば、楽しみと言えば、楽しみの理を聞き分けて、長らくの幾重の事もある。若きに委せ、内々見ず聞かず、日々あれ頼もしい、返やし/\内の処にて尋ねる。これより楽しみはあろまいと言う。楽しみは日々の心と言う。これだけ諭すによって。

FavoriteLoadingお気に入りに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です