明治二十五年十月三日午前二時五十分
刻限御話

さあ/\一寸話し掛けるで/\。前々一日一寸一つ障り、大き障りなら分かる。さあ/\朝一席三名の中、一つ一時の処、もう一時声が止まる処、その場を通り分かろまい。一席たゞ一名も声を尋ねる者は無い。一寸二三日後より三名の中、声続かんようになる。続いて三日勤めさして、どういう事こういう事声が続かん。尋ねにゃなろまい。声が止まる。一寸朝三名役を止まる。三名の中声中止まる。何程でも声が止まる。日の中はあちらざわつき、こちらもざわつき。一寸話し掛けるで。なれども、よんどころ無く知らさにゃならん。これじっと聞き分け。いかなる話、難しい事せいとは言わん。どういう事もこういう事も、何にも無い処から障る。そやそや風は心地がよい/\。世界日々暮らす同じ風でも、大風はそれ/\困る。可愛可愛、可愛くあってこれまで、そや/\風は秋風、そや/\風で大風はこちらへ逃げる事も出来ぬ。一時の理分かり難ない。一寸の道、並大抵の道やあろまい。万事の一つの話、一つの道は今一時とは言われようまい。もう一人三名、声の止まるを見て居る。よんどころ無く出る。いかなる事成らん知らさん。この道は頼み歩く道じゃない。事情理の世界。人間心事情よう思やんして又々話しやい、互い/\いかなる話諭し合うて、広く事情話し掛けてくれるよう。刻限話は違わんで。

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