明治二十五年六月十八日午前三時十分
刻限御話

さあ/\もう詰み切った処の話々、遅れた/\、遅れた話というは、大きいようなもの、難しいようなものなれど、放っといて行けば行ける。どんな道掛かりという。掛かりは行ける。なれど山坂へ掛かる。今日と言うて今日に行けようまい、明日と言うて明日に行けようまい。幾日掛かる。思やんせねばならん。話というは道である。一つ/\事情、いかなる/\、さあ/\多く/\広く/\、多く/\、広く広くと言えば、どういう事が広くという。さしづの道が広くと思うか。早く書き取れ。たゞ一つ多くの中、吉き日ばかりなら何も案じる事要らん。楽しみだけ、中の中、山坂何処々々、事情々々一時運ぶ/\。この道早くに聞き取ってくれ。多くの中から寄り来る道、何ぼでも分からん。重々刻限にも諭し置いたる。遠い所始め掛けにゃなろまい。どれだけ不自由であろうが、聞いて結構道が始まる。事情遅れる、事情掛かる。早く事情聞き取って諭さにゃならん。急いで掛かれば身に掛かる。これ一つ談じてくれねばならん。大層々々、大層掛けてはならん。大層と言えば身上に掛かる。事情諭し置こう。この身遁れる遁れん。大層は遁れようまい。これ皆何や彼や取り混ぜてあるから、よく聞き分け。大層大変と言えば、良き事にも取れば、難儀な事にも取れる。大変という、これどちらへも取れるというは、心という理。これ聞き取りて、さあ詳しい書き取れ。さあ/\どんな物動かすも、持って歩くも、大勢の力で自由自在、皆心の揃うたが自由自在。こちらが動いても、こちらが動かんというようでは、自由やない。一々の理、理と理と一つの理で治め掛け。危ない処でも、連れて通りて、これから順序。もう広い/\、にをいかけ理も定まる。尋ね掛け治まる。大層という理よりえらい理は無い。善い方へも取りゃ、悪い方へも取れるというは、息一つの理に止どまる。あちらからも、こちらからも、たゞ結構という理は、順々受け取る。今日は夜の目も寝ずに、一人手が掛かる。心配すれば、一日二日経てば、皆の者も戻りて来る。しっかり談じてくれ。おら知らなんだというようではならん。心の合うたもの、何ぼ遠きでも、近き所でも、心の理が兄弟。一日の日という、何程遠いという。いつ/\心の同じ、自由自在。心違えば自由叶わん。ぢば取扱い、見分け聞き分けはこゝの理。分からん事は又尋ね掛け。自由一つの理も諭そ。これは尋ねたら勝手が悪い、というような事ではならん。よう/\の道を弘め、どうなりこうなり教え掛け日を縮めた。それより台という。十年や二十年や三十年やない。だん/\一人一つのものという。何程の者、偉いといえど、一つの理が分からいでは何にもならん。もうこれだけ道も弘まった、もう大丈夫と思う。未だ/\十分やない。一寸の掛かりという事情、これからという心を定めて居たら、危なきは無い。十分上れば下るより外は無い程に。これ一つ諭し置こう。

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