明治二十四年四月二十八日
井川甚助四十二才身上願(越前国奥麻生村第百七十五号講元)

さあ/\尋ねる事情/\、身上一つ心得んという理を尋ねるから、諭しよ。聞けども、どういうものと思う理を、幾何度諭しても、速やかならんという事情は一つの理。成らんも一つの理、成るも一つの理。聞き分けにゃならん。内々家内一同不足思うやろ。これ一つの理聞き分けにゃならん。いんねんと言えども分かろまい。さあ/\世上をあちらを見ては成程と思う一つの理、こちら見ては成程一つの理、分かろうまい。分からんから諭すには、よう聞き分けよ。身の処余程大層大望の理である。生まれ更わり出更わり、この理を聞き分けよ。世上は皆神の子供である。難儀不自由さそうという神は無い。聞き分けよ。身上不足なるとはいんねんの事情。内々の事情定めるなら、長らえての深きの話。これを一つ聞き取って内々家内しいかり一つの理を治めるなら、救からんではない。どうせいこうせいとは言わん。この理を聞き取って、誠の心無くば、人を救けるとは言えん。遠いさかいにどうとは言うやない。近いと言うやない。これをようしいかりと聞き取って諭してくれるよう。さあ/\取次しいかり諭してくれるよう。身上、定めるなら救からんやない。この理を諭して置くによって、言う。

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