明治二十四年十一月一日
山田伊八郎身上鼻の出ものに付願
さあ/\身上事情、一つ事情尋ねる。身上事情尋ねばいかなるであろう。身上から尋ねば一つ諭しよ。諭は前々からの事情改めてみよ。さしづは何度に諭してある。今という今、これまで幾度思やんある。一時の処にては所という。道のため運ぶ処、治まる処、一つ事情よく聞き分け。これまでというは、とんと分からなんだ。思て日々事情尽す中、尽す中、とんと事情、他の事情とんとなあ。一寸一時の処にては、印事情下ろしたる。これは誰のものでもなし、人のものでもなし、そんならめんめんのもの、めん/\のものでなし。一つ事情には心得、聞き分けの理、陰から尽す理は十分受け取る。人の事の理はどのくらい思えども受け取れん。めん/\尽すだけはめん/\。内々いろ/\心ある。事情いろ/\ある。一寸理では大き事情治まりてある。多く事情に世上の理、めん/\一人幾重の事情に、長くは先の楽しみ、短いは楽しみ無し。これ俄かに咲く花は、切って来て床へ挿してあるも同じ事。これはのじの無いものである。さあ/\これ根のある花は遅なる。なれども年々咲く。又枝に枝が栄える。根も踏ん張る。こゝの道理をよう思やんしてみよ。さあ/\身上はすうきり案じる事は無いで。