明治二十四年九月九日
増野正兵衞本日中山会長御住居古家取り払いに付二階建ちに立ち退きの後、屋根より飛び下り右の足を挫き痛め障りに付願

さあ/\尋ねる処/\、どうも尋ねようにも尋ねられん。一つの理、運ぶにも運ばれん。一つよく聞き分け。かたなえて事情、内々処に、あちらこちら身の障り。尋ねるからは諭してある。諭というは、何度に諭してある。内々家内一寸は結構に思うやこそこれまで運ぶ。これも余儀無き道、一時成ろうか万事の処、内々一寸掛かりという。前年思えば一寸半端、事情聞き取りて内々治め。遠く事情といえど幾重の道もある中に、事情はいんねんの理、心に治めてくれ。いんねんというは、どれがいんねん、何処と出生して、何処に納まる。又候いんねんならばという処/\と十分と思うやろう。いんねんの理を以て生涯という。よく聞き分け。聞きよう、取りようでころりと間違う。世上のいんねんというは、幾重のいんねんもある。勝手知らずして、その場/\一夜という、一時という。世上見てこれでこそ、とたんのう治めにゃなろうまい。世上あたゑを以て十分と言えば十分。生涯の心と治めて、やれ/\と生涯の心治めてくれにゃならん。これよう聞き分けてくれ。

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