明治二十四年五月十八日午後十一時
刻限御話

さあ/\遠いで/\。話は遠いで/\。遠い所の話や/\。どんな遠い所から、遥遥の道、遥々の里、よう/\の日が近づき出て来た。広い/\道と言うて出て来た。国という処だん/\渡り、日本国と言うたら、大変な小さい国といえど土地里、よく/\の事情掛かるや否やの道があって、遠い事情より遥々の道、これまで仇々のその仇。何でも思い/\の道があれど、我が俺がの中に一ついろ/\の道、いろいろの理から、一寸事情一時ならん、どうでもこうでもならん。叢雲の中にどんならん者がある。夜々という、どれ程遠くといえど、心という理は同じ理、その場の深き話、これまでだん/\説いた話は長い話、くどい話。今というて今には出ようまい。なれど時節一日の日をよう聞き分け。年限の道というは一日の日に始まる。一時暫くという。まあ微かの事なら、やれ/\事情治まれど、時節という理がある。時節と話した理は出にゃならん。古い話年限分かろうまい。世界中、どんな道もある。分からん/\の中に、心の理がある。心の理によりて寄せる。心の理は一般一つといえど、幾重の理もある。一寸の話には出来ようまい。一日の日や/\と一寸話し掛けたる。一日の日というは大きい話、前々より諭したる。どんな道があってもおめ恐れるやないで。これまでにも諭してある。内々胸の思やんが第一。どうでもこうでも連れて通らにゃならん。踏ん張らにゃならんという理で刻限今一時の処、もう/\身が迫る。身が迫るやない、世界が迫るから皆寄せる。一点の理を見せる。いかなる道も見えて来る。うっかりはしては居られん、そこで身に障り。あちらの事情が走り身上が迫る。身上迫るやない、世界の道が迫る。どんな道が見えても案じる事は無い。恐れるも心、案じるも心、勇むも心、皆々の心を寄せてよく聞いて置かねばならん。包み/\て胸の内、遠くいかなるも心一つの道、心一つの理をめん/\一時という。どんな事がありても、辺所ではどんな難儀が起こるやら知れん。皆承知をして居れば、その日が来てもほんにあの事情かと、心に楽しむ。いっぱしどういう事情になるとも、日本一つの道がある。こうがある。神一条と言うてある。分からんやあろうまい。案じる事は要らん。天より始めた一つの道を治めるという。

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