明治二十三年五月八日(陰暦三月二十日)夜
本席より胸に差し込むに付願

さあ/\一寸一言だけ。さあ/\ようこれ何かの処、どんとどうもならん。どういう事も聞き分け。席々始めて席の一つの理を聞き分け。どんと席を崩す。大抵取り扱いして居る。よう聞き分け。身の内切なみのつかえる処、一寸話。些かな大抵の理は聞き分けられまい。いかなる理も前々より知らせある。覚束無い話、自由自在という。自由自在どういうものである。小さい事が大き所、席の順序始め掛ける。一日に一席、成らん事情尋ねるによって、成らん事情許してある。一寸許して定席となる。定かならん。世上何をするやと思われてはならん。昼の処は遊び歩くにも歩かれん、連れて出ようにも出られん。夜分の処どうもならん、勝手はならん、出ようと言うても出られん。身の内ぼつ/\だん/\取り決まる。いつ/\まで二日三日、皆勝手思うから勝手をしてはどうもならん。しっかりした者を一人、夜々どういう用が出来るやら知れん。夜どん/\と門を叩く、席が門を開けに出るようではならんで。人間心でないで。そうして居て運んで一人さい事を欠かさにゃよい。皆話を聞き、どうせにゃならん、皆同じように思うてくれねばならん。三年以前から人間心であるまい。同じように皆思う、あれは年寄、それでよい。昼のうちはそれから/\人間心を働く。一人々々置こまい。一夜一つから話て置かねばならん。用向使うだけ、用向働くだけであろまい。この事情だけ聞き取って定めてくれねばならん。雨が降る。何時聞き分け。その事情夜になって門を叩き、席が門を開けに出る事情とは言われまい、言わしようまい。しっかりした者一人づつ、余分の者は要らん。しっかりした者一人、どんな者でも寝たらそれでよい。席が世話をせにゃならんような者何にもならん。席の番じゃない、神の番にねきに付いて居る。難しい事を言うのやない。

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