47.先を楽しめ
明治九年六月十八日の夜、仲田儀三郎が、「教祖が、よくお話の中に、『松は枯れても、案じなし。』と、仰せ下されますので、どこの松であろうかと、話し合うているのですが。」と言ったので、増井りんは、「お祓いさんの降った松は枯れる。増井の屋敷の松に、お祓いさんが降ったから、あの松は枯れてしまう。そして、あすこの家は、もうあかん。潰れてしまうで。と、人人が申します。」と、人の噂を、そのままに話した。そこで、仲田が、早速このことを、教祖にお伺いすると、教祖は、「さあ/\分かったか、分かったか。今日の日、何か見えるやなけれども、先を楽しめ、楽しめ。松は枯れても案じなよ。人が何んと言うても、言おうとも、人の言う事、心にかけるやない程に。」と、仰せ下され、しばらくしてから、「屋敷松、松は枯れても案じなよ。末はたのもし、打ち分け場所。」と、重ねてお言葉を下された。