137.言葉一つ
教祖が桝井伊三郎にお聞かせ下されたのに、「内で良くて外で悪い人もあり、内で悪く外で良い人もあるが、腹を立てる気儘癇癪は悪い。言葉一つが肝心。つく息引く息一つの加減で内々治まる。」と。又、「伊三郎さん、あんたは外ではなかなかやさしい人付き合いの良い人であるが、我が家に帰って、女房の顔を見てガミガミ腹を立てて叱ることは、これは一番いかんことやで。それだけは今後決してせんように。」と仰せになった。桝井は、女房が告げ口をしたのかしらと思ったが、いやいや神様は見抜き見通しであらせられる、と思い返して、今後は一切腹を立てません、と心を定めた。すると不思議にも家へ帰って女房に何を言われても、一寸も腹が立たぬようになった。