明治二十四年一月十九日
今村斧太郎事情伺
さあ/\尋ねる事情/\、さあ/\まあ一時の処は一つ思やんして、どういう事も、こういう事も聞き分けて、さあどんな所に行く。住家をする。住家の事情、一つの理を聞かそ。心に事情持って尋ねる処、何程の所、どれだけの所で住家する。所定まった。一つあたゑ、何程辺所一つ、どんな所の住家でも、綺麗な花を見て、成程の花という、楽しみという。そこまで暮らさにゃならん事情はいんねんにある。何程いえども皆いんねん。いんねんと言えば、一夜の間にも花が散る事もある。ここにこうして先々何にも無き所でも、心一つ、誠一つ、いんねん一つで不自由無きものであろう。あたゑという一つの理を以て治めるがよい。これだけ諭して置く。めん/\こうと言うてすれば、思わく通りするがよい。