天理教の「みかぐらうた」の全文・歌詞を掲載します。「みかぐらうた」は天理教の原典の一つで、「かぐら」と「てをどり」の地歌を合わせた、つとめの地歌の書きものを「みかぐらうた」と呼びます。
毎朝、毎晩天理教の教会では「おつとめ」、ここでいうみかぐらうたを歌い、お祈りしていますね。
天理教の教会の近くにお住いの方は、太鼓などの鳴物の音が聞こえているかもしれませんね。
「つとめ」は「かぐら」と「てをどり」から成るが、かぐらづとめには12通りあるので、一般には、「よろづたすけのつとめ」といわれるつとめの地歌のことをさしています。
目次
みかぐらうた第一節
あしきをはらうてたすけたまへ
てんりわうのみこと
みかぐらうた第二節
ちよとはなしかみのいふこと
きいてくれあしきのことは
いはんでなこのよのぢいと
てんとをかたどりてふうふを
こしらへきたるでなこれハこの
よのはじめだし
(なむてんりわうのみこと)
みかぐらうた第三節
あしきをはらうてたすけ
せきこむいちれつすまして
かんろだい
みかぐらうた第四節
よろづよ八首
よろづよのせかい一れつみはらせど
むねのわかりたものはない
そのはずやといてきかしたことハない
しらぬがむりでハないわいな
このたびはかみがおもてへあらわれて
なにかいさいをときゝかす
このところやまとのぢばのかみがたと
いうていれどももとしらぬ
このもとをくはしくきいた事ならバ
いかなものでもこいしなる
きゝたくバたづねくるならいうてきかす
よろづいさいのもとなるを
かみがでゝなにかいさいをとくならバ
せかい一れついさむなり
一れつにはやくたすけをいそぐから
せかいのこゝろもいさめかけ
(なむてんりわうのみこと)(よしよし)
みかぐらうた第五節
一下り目
一ッ 正月こゑのさづけは
やれめづらしい
二ニ につこりさづけもろたら
やれたのもしや
三ニ さんざいこゝろをさだめ
四ッ よのなか
五ッ りをふく
六ッ むしやうにでけまわす
七ッ なにかにつくりとるなら
八ッ やまとハほうねんや
九ッ こゝまでついてこい
十ド とりめがさだまりた
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
二下り目
とん/\とんと正月をどりはじめハ
やれおもしろい
二ッ ふしぎなふしんかゝれバ
やれにぎはしや
三ッ みにつく
四ッ よなほり
五ッ いづれもつきくるならば
六ッ むほんのねえをきらふ
七ッ なんじふをすくひあぐれバ
八ッ やまひのねをきらふ
九ッ こゝろをさだめゐやうなら
十デ ところのをさまりや
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
三下り目
一ッ ひのもとしよやしきの
つとめのばしよハよのもとや
二ッ ふしぎなつとめばしよハ
たれにたのみはかけねども
三ッ みなせかいがよりあうて
でけたちきたるがこれふしぎ
四ッ よう/\こゝまでついてきた
じつのたすけハこれからや
五ッ いつもわらはれそしられて
めづらしたすけをするほどに
六ッ むりなねがひはしてくれな
ひとすぢごゝろになりてこい
七ッ なんでもこれからひとすぢに
かみにもたれてゆきまする
八ッ やむほどつらいことハない
わしもこれからひのきしん
九ッ こゝまでしん/\゛したけれど
もとのかみとハしらなんだ
十ド このたびあらはれた
じつのかみにはさうゐない
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
四下り目
一ッ ひとがなにごといはうとも
かみがみているきをしずめ
二ッ ふたりのこゝろををさめいるよ
なにかのことをもあらはれる
三ッ みなみてゐよそばなもの
かみのすることなすことを
四ッ よるひるどんちやんつとめする
そばもやかましうたてかろ
五ッ いつもたすけがせくからに
はやくやうきになりてこい
六ッ むらかたはやくにたすけたい
なれどこゝろがわからいで
七ッ なにかよろづのたすけあい
むねのうちよりしあんせよ
八ッ やまひのすつきりねはぬける
こゝろハだん/\いさみくる
九ッ こゝはこのよのごくらくや
わしもはや/\まゐりたい
十ド このたびむねのうち
すみきりましたがありがたい
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
五下り目
一ッ ひろいせかいのうちなれバ
たすけるところがまゝあらう
二ッ ふしぎなたすけハこのところ
おびやはうそのゆるしだす
三ッ みづとかみとはおなじこと
こゝろのよごれをあらひきる
四ッ よくのないものなけれども
かみのまへにハよくはない
五ツ いつまでしん/\゛したとても
やうきづくめであるほどに
六ッ むごいこゝろをうちわすれ
やさしきこゝろになりてこい
七ッ なんでもなんぎハさゝぬぞへ
たすけいちじよのこのところ
八ッ やまとばかりやないほどに
くに/\までへもたすけゆく
九ッ こゝはこのよのもとのぢば
めづらしところがあらはれた
どうでもしん/\゛するならバ
かうをむすぼやないかいな
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
六下り目
一ッ ひとのこゝろといふものハ
うたがひぶかいものなるぞ
二ッ ふしぎなたすけをするからに
いかなることをもみさだめる
三ッ みなせかいのむねのうち
かゞみのごとくにうつるなり
四ッ ようこそつとめについてきた
これがたすけのもとだてや
五ツ いつもかぐらやてをどりや
すゑではめづらしたすけする
六ッ むしやうやたらにねがひでる
うけとるすぢもせんすぢや
七ッ なんぼしん/\゛したとても
こゝろえちがひはならんぞへ
八ッ やつぱりしん/\゛せにやならん
こゝろえちがひはでなほしや
九ッ こゝまでしん/\゛してからハ
ひとつのかうをもみにやならぬ
十ド このたびみえました
あふぎのうかゞひこれふしぎ
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
七下り目
一ッ ひとことはなしハひのきしん
にほひばかりをかけておく
二ッ ふかいこゝろがあるなれバ
たれもとめるでないほどに
三ッ みなせかいのこゝろにハ
でんぢのいらぬものハない
四ッ よきぢがあらバ一れつに
たれもほしいであらうがな
五ツ いづれのかたもおなしこと
わしもあのぢをもとめたい
六ッ むりにどうせといはんでな
そこはめい/\のむねしだい
七ッ なんでもでんぢがほしいから
あたへハなにほどいるとても
八ッ やしきハかみのでんぢやで
まいたるたねハみなはへる
九ッ こゝハこのよのでんぢなら
わしもしつかりたねをまこ
十ド このたびいちれつに
ようこそたねをまきにきた
たねをまいたるそのかたハ
こえをおかずにつくりとり
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
八下り目
一ッ ひろいせかいやくになかに
いしもたちきもないかいな
二ッ ふしぎなふしんをするなれど
たれにたのみハかけんでな
三ッ みなだん/\とせかいから
よりきたことならでけてくる
四ッ よくのこゝろをうちわすれ
とくとこゝろをさだめかけ
五ツ いつまでみあわせゐたるとも
うちからするのやないほどに
六ッ むしやうやたらにせきこむな
むねのうちよりしあんせよ
七ッ なにかこゝろがすんだなら
はやくふしんにとりかゝれ
八ッ やまのなかへといりこんで
いしもたちきもみておいた
九ッ このききらうかあのいしと
おもへどかみのむねしだい
十ド このたびいちれつに
すみきりましたがむねのうち
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
九下り目
一ッ ひろいせかいをうちまわり
一せん二せんでたすけゆく
二ッ ふじゆうなきやうにしてやらう
かみのこゝろにもたれつけ
三ッ みれバせかいのこゝろにハ
よくがまじりてあるほどに
四ッ よくがあるならやめてくれ
かみのうけとりでけんから
五ツ いづれのかたもおなじこと
しあんさだめてついてこい
六ッ むりにでやうといふでない
こゝろさだめのつくまでハ
七ッ なか/\このたびいちれつに
しつかりしあんをせにやならん
八ッ やまのなかでもあちこちと
てんりわうのつとめする
九ッ こゝでつとめをしてゐれど
むねのわかりたものハない
とてもかみなをよびだせば
はやくこもとへたづねでよ
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
十下り目
一ッ ひとのこゝろといふものハ
ちよとにわからんものなるぞ
二ッ ふしぎなたすけをしてゐれど
あらはれでるのがいまはじめ
三ッ みづのなかなるこのどろう
はやくいだしてもらひたい
四ッ よくにきりないどろみづや
こゝろすみきれごくらくや
五ツ いつ/\までもこのことハ
はなしのたねになるほどに
六ッ むごいことばをだしたるも
はやくたすけをいそぐから
七ッ なんぎするのもこゝろから
わがみうらみであるほどに
八ッ やまひはつらいものなれど
もとをしりたるものハない
九ッ このたびまでハいちれつに
やまひのもとハしれなんだ
十ド このたびあらはれた
やまひのもとハこゝろから
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
十一下り目
一ッ ひのもとしよやしきの
かみのやかたのぢばさだめ
二ッ ふうふそろうてひのきしん
これがだいゝちものだねや
三ッ みれバせかいがだん/\と
もつこになうてひのきしん
四ッ よくをわすれてひのきしん
これがだいゝちこえとなる
五ツ いつ/\までもつちもちや
まだあるならバわしもゆこ
六ッ むりにとめるやないほどに
こゝろあるならたれなりと
七ッ なにかめづらしつちもちや
これがきしんとなるならバ
八ッ やしきのつちをほりとりて
ところかへるばかりやで
九ッ このたびまではいちれつに
むねがわからんざんねんな
十ド ことしハこえおかず
じふぶんものをつくりとり
やれたのもしやありがたや
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
十二下り目
一ッ いちにだいくのうかゞひに
なにかのこともまかせおく
二ッ ふしぎなふしんをするならバ
うかゞひたてゝていひつけよ
三ッ みなせかいからだん/\と
きたるだいくににほいかけ
四ッ よきとうりやうかあるならバ
はやくこもとへよせておけ
五ツ いづれとうりやうよにんいる
はやくうかゞいたてゝみよ
六ッ むりにこいとハいはんでな
いづれだん/\つきくるで
七ッ なにかめづらしこのふしん
しかけたことならきりハない
八ッ やまのなかへとゆくならバ
あらきとうりやうつれてゆけ
九ッ これハこざいくとうりやうや
たてまへとうりやうこれかんな
十ド このたびいちれつに
だいくのにんもそろひきた
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
天理教の「みかぐらうた」について
「みかぐらうた」については詳しく説明します。
みかぐらうた「かぐら」と「てをどり」の地歌を合わせた、つとめの地歌の書きものを「みかぐらうた」と呼ぶ。原典の一つである。
「つとめ」は「かぐら」と「てをどり」から成るが、かぐらづとめには12通りあるので、一般には、「よろづたすけのつとめ」といわれるつとめの地歌のことをさしている。
教祖(おやさま)は、慶応2年(1866)から、「つとめの地歌」である「みかぐらうた」を教えはじめられた。
「みかぐらうた」もまた教祖の筆になるものであるから、教義原典としては、広い意味での「おふでさき」であるが、つとめの地歌としての重要な要素をあわせもっている。
この「つとめ」というのは、親神に祈り念ずるために教祖によって定められ、その実現がなによりも急き込まれた「たすけ一条」の道である。
つとめでは、地歌は九つの鳴物による一定の音律によって伴奏され、これに合わせて、一定のそれぞれ意味をもった手振りや足の動きによる「おてふり」が踊られる。
これらの音律や「おてふり」は、いずれも教祖によって制定されたものである。しかも、このつとめの地歌である「みかぐらうた」には、基本的な信仰の心得といったものが、集約的にうたいこまれている。
このおうたが全部整えられるには、相当の年月を要しているが、その制定の時期および成立の意義内容から五つの部分(節)にわけられる。
(第1節) 「あしきはらひたすけたまへてんりわうのみこと」は慶応2年(1866)の秋、「ちょとはなしかみのいふこときいてくれあしきのことはいはんでなこのよのぢいとてんとをかたどりてふうふをこしらへきたるでなこれはこのよのはじめだしなむてんりわうのみこと」
(第2節)は明治3年(1870)、「あしきはらひたすけたまへいちれつすますかんろだい」
(第3節)は明治8年、「よろづよ八首」
(第4節)は明治3年、十二下り
(第5節)は慶応3年の正月より8月までにわたって教えられ、成立をみている。なお、十二下り(第5節)は、教えられてから満3年を費して節付けと振り付けがなされた。この第1節から第3節までが、かぐらの地歌であり、第4節と第5節が、てをどりの地歌である。
この「みかぐらうた」は、覚えるのに便利な言葉遣いで、きわめて親しみやすいものである。
しかつめらしくなく、きわめて伸び伸びとしながら雰囲気をたのしみつつ、歌うことができる。
また共に唱和することによって、いつしか気分そのものから、教理を和やかに味わうことができる。
教祖は、
「この歌は、なんぼわしはよう字を知らんなどというていても、三人よるときっと読みが下る。分らんと思うていても、ひとりでに分かってくる。みながいつのまにやら調子づくのやで」
と仰せられたというが、「みかぐらうた」は、本来、おつとめをつとめるなかから、歌う者も聞く者も、教理を、しみじみと心に味わいつつ、身につけることができる唱え歌であるといえる。
また、「みかぐらうた」には、振り付けがなされているが、このことは、「おてふり」との関係において深い意味が汲みとられるようにとの配慮が感ぜられる。教祖は、
「これは、理の歌や。理に合わせて踊るのやで。ただ踊るのではない、理を振るのや。」
あるいは
「つとめに、手がぐにゃぐにゃするのは、心がぐにゃぐにゃして居るからや。一つ手の振り方間違ても、宜敷くない。このつとめで命の切換するのや。大切なつとめやで」
『稿本天理教教祖伝』95頁
と諭されているが、「おてふり」を身につけることによって、「みかぐらうた」の味わいも深められる。
信者にとっては歴史的にも、現在にあってももっとも身近かに口ずさまれているお歌である。
みかぐらうた・おてふりについて
みかぐらうたのお手振りの練習に使える動画を一覧にしました。
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