皆さんは、天理教の祭儀で欠かすことのできない「雅楽」の楽器を、誰がどのように作っているか考えたことはありますか?
今回ご紹介するのは、愛知県で雅楽楽器「笙(しょう)」の製作に携わる久松誠さんの物語です。繊細な音を奏でる楽器作りを通して見えてきた、神様へのご恩返しと「次代へつなぐ」ということの尊さについてお届けします。
「神様の道具」を磨き続ける日々
久松誠さんが笙の製作の世界に入ったのは、雅楽楽器師であった伯父・守さんの手伝いがきっかけでした。竹を削り、漆(うるし)を塗り、複雑な構造を持つ笙を仕上げていく作業は、まさに職人技。今ではその技術を認められ、全国から修理や製作の依頼が絶えないといいます。
そんな久松さんの心を大きく変えたのは、ある教会長からかけられたこんな言葉でした。
雅楽は“無形のお供え”。月次祭はもとより、結婚式や葬儀など、人生の節目に聞いてもらえる尊いものだ。
この言葉を聞いてから、久松さんは「ただの楽器」としてではなく、「神様にお供えする道具」を丹精込めて作るという強い自覚が芽生えたといいます。楽器が人を選び、その人の徳分に見合ったものが届く――そんな信仰的な眼差しで、一つひとつの楽器と向き合っています。
家族でつなぐ、伝統の継承
現在、久松さんの工房「和音工房」では、次女の倫子さんが製作の一部をサポートしています。楽器製作は長年の経験と感覚が必要とされる厳しい世界ですが、親子で伝統の音色を守ろうとする姿には、信仰の道がつながっていく温かさを感じます。
「役目を与えていただいた喜びを胸に、残りの人生を楽器作り一筋に全うできれば」。そう語る久松さんの言葉には、神様からお与えいただいた仕事への感謝があふれていました。
職人として、そして一人のようぼくとして、ひたむきに歩む久松さんの姿については、ぜひ以下の元記事で詳しくお読みください。

