12月10日、「実践中国語B」を履修している中国語専攻の2年生7人が、竹田治美教授指導の下、東大寺で通訳ボランティアの実習を行いました。
「実践中国語B」は、中国語で社会貢献できる能力の養成を目的とした選択科目ですが、コロナ禍により、学外でのボランティア実習ができない間は、ボランティア活動に関する文章の中国語翻訳等に取り組んできました。
その一環として昨年度は、外国人旅行者のための通訳ボランティアを行う奈良SGGクラブからの依頼を受け、同クラブが作成した東大寺を紹介する通訳原稿の修正作業を行い、現地では竹田教授を観光客に見立てた通訳実習を実施しました。
外国人旅行者数が回復傾向にある今年度は、春学期に「スピーチ中国語A」で原稿を正確に読む練習を行い、秋学期の「実践中国語B」で、東大寺を訪れた中華圏の外国人旅行者と語学力を活かした交流を行うこととなりました。
当日、東大寺に集合した学生たちは竹田教授とともに大仏殿を見学。事前に準備してきた中国語の原稿を手に東大寺の歴史や大仏の鑑賞ポイントを確認しました。
その後、SGGクラブで中国語通訳ボランティアを行う瀧川恵子さん、SGG定点ガイド責任者の弘津昌子さんと合流し、どのように通訳を行っているか解説を聞きました。
続いて、学生たちは外国人旅行者へ「どこから来たのか?」「何日滞在するのか?」などと積極的に話しかけながら、これまでの勉強の成果を活かして台湾やシンガポールからの旅行者と盛んに交流を行いました。
指導にあたったSGGクラブの瀧川さんは「学生たちが活発で積極的に声かけを行っていたのが印象的だった」と話したほか、弘津さんは「机に向かって勉強するのも大事だけれど、実際に会話をすることでより力がつく。学生たちは臆せず中国語を話せていたのでこれからの活躍が楽しみ」と学生たちの活躍に期待を寄せました。
実習を終えて竹田教授は「コロナ禍で減っていた外国人旅行者が少しずつ戻ってきていることを実感した。学生たちには中国語で奈良の魅力を多くの人に伝え、地域に貢献できる人材になってほしい。在学中に養ったボランティア精神を卒業後にも活かしてくれることを願っている」と語りました。
●橋本晏加さんコメント(2年・西の京)
「地域創生コースで中国語を学んでいた高校時代、観光地で中華圏の旅行者から話しかけられたのですが、うまくコミュニケーションを取ることができず、悔しい思いをしました。その経験がきっかけとなり、天理大学で中国語を専攻することにしました。コロナ禍ということもあり、これまで日本語が話せる中国語話者としか接する機会がありませんでしたが、今日は中国語だけで会話ができて嬉しかったです。今後も語学力を磨き、将来は観光業に就きたいです」
●木田珠妃さんコメント(2年・青翔)
「高校2年生のとき、実習先のシンガポールで中国語の響きや漢字に興味をもち、中国語専攻を選びました。今回の実習では通訳用の原稿を作るなど、事前に準備を重ねてきました。実際に外国人旅行者を目の前にすると緊張しましたが、日本在住の中国人や北京への留学経験があるタイ人など、さまざまな方とお話しできて、言葉が伝わった時は大きな喜びを感じました。学内だけでは得られない貴重な経験ができ、中国語を学ぶモチベーションがより一層上がったように思います」
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