67.かわいそうに
67.かわいそうに 抽冬鶴松は、幼少から身体が弱く、持病の胃病が昂じて、明治十二年、十六才の時に、危篤状態となり、医者も匙を投げてしまった。 この時、遠縁にあたる東尾の伝手で、浅野喜市が、にをいをかけてくれた。そのすすめで、入信を決意した鶴松は、両親に付き添われ、戸板に乗せてもらって、十二里の山坂を越えて、初めておぢば帰りをさせて頂
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