明治二十年三月二十七日(陰暦三月三日)午後四時
増野正兵衞身の障り伺

さあ/\身の障り、さあ声出難くい。余の儀外の身の障りではなく、めん/\心これまで外思わく。人救ける、救けにゃ日々切のうて話出来ぬ。外々先ず/\委細澄み切りてある。身の一つ、席を改めたる処、これを身の処速やかなりたるなら、又大変な楽しみがあろう。一度の楽しみは末代、こうして寝やしてあるは、あちらも一寸運ぶである。纏める。あちらもこちらも、物に譬え、結構なる普請するには、あちらの物とこちらの物も寄せて、棟包みをし、それよりだん/\作り上げねばならん。もう一日すれば、すっきり美しい掃除出来る。めん/\の普請は、半端のめん/\の身の障り、一段取り集め、それ/\楽しみ話、一所寄せ、幾重の話聞く。前々話、末代一所寄せ、あちらへもこちらへも障り付く。席見てるまでやない程に。油断無きよう、すっきり十分の磨き、生涯楽しみをさす。楽しみ無くばならん。一年の年限来ては、切りが無くては、切りを切ろうと、あちらも取り寄せ、こちらも取り寄せ。もう何時もう身の障り程無う。

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