明治三十三年十一月二十日朝
本席へ御運び下さる事を前日詰所当直より御伺い下されし時に、その申し上げ下されし事を御思召に適わざるか御立腹にて、続きて側より御詫び申し上げ下されし処へ御話あり(前日当直運びに付、高井猶吉、松田音次郎、宮森与三郎の三人)
さあ/\まあ予ねて/\話をして居る/\。話をして居るが、聞いた時はほんにと言うて居る。なれど、聞いた事つい日柄経てば勝手という理運ぶ。勝手運べば、つい/\の日が出る/\。日が出るからどうもならん。勝手というものは、めん/\にとってはよいものなれど、皆の中にとっては治まる理にならん。治まる理ある。朝機嫌ようして居るになあと出る。たゞその場越せるなれど、心失うて、神の道は働かせんようになったら、どうもならん/\。勝手々々の話はあちら濁り、こちら濁り、濁り水流したら、どうもならん。立てよ/\どう言うたてならん。鏡やしきに、あちら捜し、もちら捜し、澄んだ水を搜さにゃならんような事では、どうもならん。日柄十分経ったるけれど、澄んだ同じ水に成らんから日が遅れる。さしづするその時は、ほんにそうやと言うなれど、つい/\勝手だけ。勝手出せば、あちら濁りこちら濁りすれば、どうなる。これ聞き分け。何よ五本の指の如く/\すれば、澄んだ水と言う。中に澄んだ水が神の道に外は無い。外の濁りは世界と言う。中の濁り中から洗わにゃならん。神の道皆心得。今朝の三席後一席勤めさす。さあ三席さづけ渡す。後一席は、後に運ばす。