明治三十一年一月六日
永尾楢次郎小人きぬゑ身上願
さあ/\尋ねる事情/\、さあ/\一寸出越したる処出越したる処、その一つの最初事情諭すによって、万事心得諭そう。人という事情一時になあと思う処、さあさあどういう処から諭すなら、身上からいかな事、皆んな心得のため、事情はどちらから話するや知れん。こういう事情出越した処から、小人事情、それから諭せば忘れようにも忘れられん。よく聞き分けにゃならん。小人という何も知らん者、よう聞いて居るやろ。小人十五才までは親の事情。よう聞き分け。始め掛けて事情二つも三つもつかえてある。席はたま/\出越したる。余儀無く処から事情忘れられん事情、又小人忘れられん事情、西東という、西東は分かりてあるなれど、何も分かりてない。皆一つの中、西の一つの事情、何も余の儀は無い。あら/\治まりたる。又悪い心のたくみは無い。日々の処はこら受け取ったる/\。一つ聞き分け。今一時どうという事無い。これから先長い事情定めてくれ。まあ東という東の事情から諭そうか、西の事情から諭そうか。西から始め掛けたから諭そう。事情は慎んだ上慎んで居る。一寸東の事情諭す。西の事情定めてから破損なりたる。身の養い、身の養い些か許し置く。これ一つ、これ又一つ少々身の養い、よう聞き分け。又第一一つ事情、それ/\寄り来て愛想というは、今一時許し置く。又内々だけ、どうでもこうでも慎んでくれにゃならん。慎みは第一。慎みというは何やろと思うやろ。第一、この年の取れたる処じっと踏ん張って居る。よう聞き分け。心というはどうなっと成るもの。これだけ諭せば分かる。愛想々々の時、慎み扱え。小人たる、成っても成らいでも定めは小人。そのまゝ小人案じる事要らん。西という東という聞き分け。今まで、あちらに一つこちらに一つ大変心病まし、自然理になって病まし、ほんに成程、年取りたる者に満足さゝにゃならん。満足さして仕え、日々心仕え、双親あるなら、又心休まる日もある。一人の親になりてよう聞き分け。一時間二時間一時二時の一寸なら、何処へどう彼処へこういう理諭して、そうして満足さすなれど、又しても/\どうやろうかこうやろうか、積もり/\の理が、遁れるに遁れられん。成りてからどうもならん。よう聞き分け。些かは許し置くなれど、多分の事許されん。これ第一。これまでの処、取り返やしならんと言うた処がならん。西と東これ聞き分け。成程違わんと改めたもの。一日もこれから先親見立てにゃならん。よう聞き分け。悪い事言わん。どういう話こういう話、互い心結び、人にどう言われた。為す事情いんねん理以て寄せたる。幾重定まらいでは取り返やしならん。いんねんという理薄うなりてからどうもならん。どんな所から眺めても、何処から見ても一つ。何処に何も無いなあ、何処に疵も無いなあ、と言えば明らかなもの。疵という、玉に疵出けてはならん。今まで不孝跡を与えたなあという処、改めたなあと、人に言わさにゃならん。いつの晩こういう理から尋ねた。こういうさしづあったと、一つ明らか出し、世上に理持たし、この話聞かした事無い。あちらもこちらも理掛け合うて、これから何人居ようが一人という心に、理改めてくれにゃならん。何人居れど一つの心になあ。いんねんありゃこそ。今日の日は、どれだけ金銭積んだて買わるか買われんか聞き分け。お前もそうなら俺もそう。これからほんに満足楽しみも親になあ。めん/\言わいでも世界に言わさにゃならん。小人治まる。成っても成らいでもこうと治め。悪い事諭してない。これをよう聞き分けにゃならん。小人の処、一寸には案じるようなもの。何も案じる事要らん。めん/\もほんにそうやなあ言わいでも、人に言わさにゃならん。よう聞き分けば速やかなもの。西も東も心得々々。