明治三十年三月十二日
増井りん六十日程前より歯痛の処少々治まり、本日午前十時頃より腰の障りになりしに付願

さあ/\尋ねる事情/\、どうも不思議と思う/\。よう事情聞き分け。長い間、今日はどうであろ、明日はどうであろと思う。あちらが身が障る、こちらが障る。身上に一つの事情あれば、どう成ると思う。何にも案じる事は要らん。尋ねて貰うと/\日々に思うたる処、尋ねる処の事情に何にも間違った事はあろまい。めんめんもこれまでよう/\の道、どんな事情も通りて来た理、万事の事情万事の道、万事と言えばどうなる事と思う。世上にも理がある。無理々々の処に、治まり難くい説き難くい処も心の理に治めて居る。雨降りもあれば、天気もある。雨降りの日は、十分の働きは出来難くい。身上の障りの時は悠っくり気を持ちて、楽しみの道も悠っくりと聞き取りて楽しもう。成ろまい日々の事情、働くばかりが道であろうまい。末は一つの事聞かして貰ろたる事も、どうであろと思う。明日日身の処は案じる事は要らん。皆々の事情もあるで/\。

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