明治三十年一月十五日
増野道興身上願

さあ/\尋ねる処/\身の障りやと言う。一つの理を尋ねる。障りがあれば尋ねる。尋ねたら、どういうさしづどういう一つの諭があろう、という心を以て尋ねるのやろう。身上が案じる事は無いが、何かの事もよう聞き分けてくれ。事情は今日の日は相当の事情集まりて、いつ/\くどい/\話、一つ諭し置かにゃならんで。さあさあもうこれ時代は何年の時代になりてあると思う。余程時代は長うなる。古い時代今のようなもの、古い時代の理がすっきり埋れ切ってある。今はずっと世界ににをいがけ、端から端まで届いてある。古い理埋れてはならん。古いにをいすたりてある。よう聞き分け。古い理からこういう理に成り立ってある。時世が変わりたようなもの。世界は変わらぬ。元から変わりてはどうなるぞ。教の理に不足は無いもの、又有りてはならん。これまでの道は並大抵の道やあろうまい。年限相当の理は見分けても居るやろう。この事情一寸には難しい。どんな悪風という、事情という、あゝ結構やと思うても、何時どんな悪風吹くとも分からん。世界の風は分からん。元ありての風は、吹かそうと吹かそまいと自由自在。遠慮気兼は要らんと言うたる。三年千日と言うたるは何年になりたるか。遠慮気兼ありては隠し包みも同じ事、教一つの理に違うか違わんか察してみよ。難しい事は一寸も言わん教、これまで長らえて経つ中には、どんないろんな道もあった。付け掛けた道は付けねばならん。年の理によりて早い理もあれば遅れる理もある。遅れ切ってはどうもならん。だんだん長らえて連れて通りてから、悪風に誘われてはならんで。何をしたるやら分からんような事ではどうもならん。一日の日しっかり書き取って、皆の心得と言う。一つの心なら何も言う事不足は一つも無い。今は皆寄って居る。皆寄ってる中に、こういう事は互いに言い難くい。俺は出てもあかん。名は一つでも幾つもある。幾つもありては道とは言えようまい。ようまあ尋ねてくれた。尋ねた理は皆治めてくれ。一つの理に集めてくれ。そも/\ではどうもならん。そも/\というは、どんな事出来るやら分からん。前々より諭したる。皆一条の道。言うて聞かしても寄らず、諭しても聞かぬ者はどうもしようが無い。ついの/\/\の理に誘われんよう/\。

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