明治二十六年六月十二日夜
飯降まさゑ治まり方事情に付願
さあ/\尋ねる事情/\、先ず/\縁談というは十分に尋ね、あちらも尋ね銘々尋ね、それ/\尋ね、皆んな真の心治まり、どうしていつ/\まで心治まれば縁と言う。どれがよかろう、これがよかろうさしづは出来ん。出来んというは、これまで諭したる又一つ事情、前々余儀無く始め掛け、もう程無う/\の道も分かり、後々までも分かる処、どうこうの内には治まりが出来る。人が足らんようになる。だんだん道を伝うて、何処のどうとも言うてない。話し掛けたら何処から道が付くやら分からん。随分互い/\の心、それ/\の心治まれば善きと言うなれど、一つこうしたら道から道のように思う。一やしきの内に住む処、いんねん思う理は何処にどういういんねんの理あるやらこれも分からん。話し掛けたら何処にどういう理を治めたるやら分からん。そんなら何処からと言うて、今日に行くやない。早くと言うて道無き処に道を付ける事は出来ん。話し掛けたらだん/\分かる。主々はた/\も分かる。急くようで急かんなれど、黙って居ては分からん。東とも西とも北とも南とも何処にどういう理あるやら分からん。一日々々日が近づく。とんと一時の処付かんという、合わんという理の分かるまで、無理々々の処、生涯の理なれば治まりて治まらん。人々の理按配よう治まれば何も言う事要らん。どれという諭は出来ん。事の尋ね、一度や二度では分からん。あちらからこちらからこうと言う。前々頼み置いたる事情、姉弟二人出すのやない。心寄せて人々の処少のうてどんならん。運ぶ理が遅なる。だん/\年が寄る。年が寄れば弱くなる。なれど年寄り若きの理は無い。日々の働き心の働きもう直ぐ成る。自由も叶わん。立て替えの理も思わねばならん。長い間とも短い間とも言う。生き通りやしき/\とこれまで諭したる理はあら/\分かる。なれど何処へどうしたとも分からねば、生まれ更わりの理は分かろうまい。何処へどうして居る。古着脱ぎ捨てて新たまるだけ。何処にどうして居る、幾日にどうと言えば確かやろ。一つ分かれば万も一つの理言うも同じ事、三十年の道ほのかの理がその通りに成りてある。神の自由分かりてあるやろ。証拠分かりてあれど、心に得心は出来ようまい。これ事情にて聞き分け。どちらからどういう者、引き出すとも分からん。時々刻限身の障りに知らすとも言う。これから始めてくれ。だん/\に諭そう。