明治二十三年十月二十一日
平野トラ身の障りに付願
さあ/\事情に心得ん/\という事情尋ねる。事情に心得ん/\というは理の知らせ。尋ね出るは一つの事情、理を聞き取らねばならん。どういう事情の中、幾重の中、身の処に事情無き処という。日々に事情が湧く。日々湧く事情というは、日々に治まる。荒き事情、日々処にては、どんな荒き湧くとも/\分からん。どんな悪気ありても、日々に心に治め。心に控いという事情以て、阿呆らしい、こんな事と思う理があれども心に治めて。この道むさくろしいと思う。むさくろしい中からどんな綺麗なものも出ける。どんな事聞いても残念と思わんよう。むさくろしい中からどんな理が出るやら分からん。順序取り扱い、むさくろしい中からどんな理も出けたもの。どんな綺麗な理も出ける。育つは修理肥、植流し蒔流しでは稔りが無い。十分肥えを出ける。綺麗なものは、事情によってだん/\薄くなる。ほかさにゃならん。どんな事聞きても辛抱。むさくろしい中から綺麗なものは出ける。何か事情身の処から聞き分け。身が不足なればどうもなろうまい。不足思えばどんな事でも出ける。身の処にて案じる事はない。この理を聞き取ってくれるよう。