明治二十三年九月三十日午後九時
刻限御話

さあ/\話掛ける/\、さあ/\話掛ける、どういう事を話掛ける。くどう/\説いてある、古い/\古うに説いてある。年限経つ、年限の中に年限経つ。よう聞いて諭してくれ。一点という、さづけ一点になった。早うから話てある。第一見分け聞き分け。見分け聞き分け無ければ、取次は要らんものや。皆これも/\どれだけの事情、深い中という理無ければ、長いという理無ければならん。遠い近い言わん。よう聞き分け。どんな事をするのも最初で貰うのも事情理があって始まるもの。始まる深い理早うからその理に理が無くてどうもならん。石の上に種を置く、風が吹けば飛んで了う、鳥が来て拾うて了う。生えやせん。心から真実蒔いた種は埋ってある。鍬で掘り返やしても、そこで生えんや外で生える。どんな事も濃い、浅い、甘い、これをよう聞き分けてくれ。今日の日はどれだけ身に一つ不足あって、運ぼうにも運ばれん。くどう/\話説けども、それ/\使いようで理が分かる。この人放って置けん。何も聞き分け。そこで話掛け。もう早う石の上に種を置く。もう生えようか/\。蒔こうかと思うて蒔いた種じゃない。石の上に種を蒔いて、もう生えようか/\。一寸難しいようなものや。大抵若い年寄言わん。見分けてそれだけ頼み置くで。すっきり頼み置くで。

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